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ビルの屋上 塩ビシート防水

  • 防水
  • 塩ビシート防水(機械固定式)
  • 東大阪市
BEFORE
AFTER

塩ビシート防水の機械固定式工法は、近年多くの建築現場で採用されている防水工法のひとつです。特に大規模な屋上や改修工事において、高い施工性と安定した防水性能を発揮することから注目されています。この工法は、塩化ビニル樹脂製の防水シートを専用の固定金具で下地に機械的に固定する方法で、接着剤を使用しない点が大きな特徴です。

まず、メリットとして挙げられるのは、施工性の高さです。接着剤を使わないため、下地の状態に左右されにくく、湿気や水分が残っている場合でも施工が可能です。これにより、改修工事など既存の下地に不安がある現場でも安定した防水性能を確保できます。また、施工スピードが速く、広い面積でも効率よく作業が進められるため、工期短縮にもつながります。

さらに、塩ビシート自体が耐候性・耐紫外線性に優れており、長期間にわたって防水性能を維持できます。シート表面には汚れが付きにくく、メンテナンスも比較的容易です。機械固定式はシートの伸縮にも柔軟に対応できるため、温度変化による膨張・収縮にも強く、ひび割れや剥がれのリスクが低いのも魅力です。

一方で、デメリットも存在します。まず、固定金具の設置には専用の工具や技術が必要で、施工には一定の専門性が求められます。施工不良が起きると、風圧や水の侵入によってシートが浮いたり、破れたりする可能性があるため、信頼できる施工業者の選定が重要です。

また、固定金具の設置箇所が多くなるため、下地に穴を開ける必要があり、構造的な影響を考慮する必要があります。特に鉄骨造や軽量屋根などでは、下地の強度や防錆処理なども含めた設計が求められます。さらに、シートの継ぎ目部分は熱風溶着で接合するため、気温や湿度によって作業性が左右されることもあります。

総じて、塩ビシート防水機械固定式工法は、施工性・耐久性・メンテナンス性に優れた工法であり、特に改修工事や広面積の屋根に適しています。ただし、施工には専門的な知識と技術が必要なため、確実な品質を求めるなら、経験豊富な業者に依頼することが成功の鍵となります。